PERFECT DAYS

PERFECT DAYS

2024年01月05日 08:24

年末と年始の2度、映画『PERFECT DAYS』を観ました。

まだご覧になっていらっしゃらない方もあると思うので、多くを語りたくなかったのですが、以下で語ってしまった(!)ので、「見たい」と思われている方は以下読まずに、まずは映画をご覧になっていただければと思います。スミマセン。

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なぜ2度も観たのか。そして、まだ観たいと思っている。それはなぜなのか。それは、この映画が「素敵」だから、です。

自分は今、こういう映画を「素敵だ」と思うんだなぁ、、、です。

一人一人が自分のパイプを生きている。それ自体は孤独です。そうして生きている中で時々、交わる人たち。喜びや悲しみ、嫉妬心や疑念、羞恥心、驚き、心配、後悔、他者への思いなどが、ふんだんに描かれている、詩のような映画です。

役所広司が演じる「平山さん」は、木漏れ日や天高く風に揺れる木々、たまたま居合わせた人、公園のホームレス、行きつけの居酒屋さんなどに「会釈」をします。目と目が合い、軽くする会釈。

交流。微細な何かと、心を通わせている感じ。そういった「平山さん」の日常が綴られます。

ラストは朝陽です。太陽に向かって笑っているような、泣いてるようなラストシーンは慈しみに満ちていて、解放も感じ、BGMと共に最高潮に達します。ここは心が震えます。

まるで、どこか古いお寺にある木彫りの仏像を拝んでいるかのような気持ちになるんです。親しみがある。

私は、五百羅漢を思い出しました。半分笑って半分泣いている。

映像、音楽も素晴らしい、人間味があふれる美しい、素敵な映画です。