聖アントニウスの誘惑

聖アントニウスの誘惑

2020年10月02日 08:54

昨日は上野で、ロンドンナショナルギャラリー展と国立西洋美術館の常設展やその他の展示など、13世紀頃から20世紀にかけてのアートを堪能しました。
1660年頃ダフィット・テニールスという人の描いた「聖アントニウスの誘惑」という作品があり、その解説“>解説に目が止まりました。 
聖人と聖人を誘惑する女性と魔物が描かれています。「・・一方に頭蓋骨、砂時計などヴァニタス(虚栄)の象徴。対して、聖書・十字架という救済の象徴 ・・救済の道か現世の道か選択を迫られている」と書いてありました。
17世紀の絵画で、黒パターンで生き続けますか?それとも白パターンで生きることを選びますか?と訴えているようです。
「聖アントニウスの誘惑」や「聖アントニウス」についても調べてみると、貧しい人々に財産を与えて砂漠に移り住んで、瞑想・苦行・孤独の道を選び、様々な誘惑を避けて、100歳まで一人で住んだとありましたので、この絵画で描いていることは、欲に溺れて生きるか、そうではなく”禁欲的”に生きるかという選択の場面なのだろうと思います。
帰りは金木犀の香りに導かれるように夕方の上野公園を歩きながら、長い長い歴史において「従来のあり方を続けるのってどうなの?」という自戒や自問を人間はずっと投げかけて生きているんだなぁ、と深く考えました。
※昨日は日にちを間違えて日記をアップしていたようです。10/1の日記はこの下に掲載し直しました m(_ _)m