異端(踏絵)

異端(踏絵)

2019年07月30日 07:24
横浜美術館で、「原三渓の美術」という展覧会が行われています。
週末、そこに出展されている「異端(踏絵)」(小林古径・作)を見に行ってきました。
床に置かれた踏絵をこれから踏もうという女性三人がいて、背景のお堀に蓮の花が咲いています。三人目の人は、前の二人からほんの少し遅れてきています。
女性たちの目は、踏み絵にしっかりと焦点を当てていて、でも口元はふわっとしてて、表情なども柔らかく、「この人たちはキリスト教信者なの?」と思うほどの穏やかさです。それはなぜかといえばきっと、踏み絵といえば、遠藤周作の『沈黙』にも書かれているキリスト教弾圧のための拷問や処刑を連想するし、苦渋や慟哭などの激しさのイメージがあるからです。(ちなみに小林古径は「異端(踏絵)」を『沈黙』の50年前に描いています。キリスト教の禁教は1587年〜1868年頃まで。from Wikipedia)
しばらくこの絵の前に腰掛けていました。踏み絵という決して心穏やかではいられない題材にも関わらず、とても静かな気持ちになってしまうのが不思議です。