板谷波山

板谷波山

2022年06月21日 07:52

出光美術館で板谷波山の展示が始まりました。

特徴のあるマットがかった陶芸作品にはふわっとした美しさがあります。しっとりとした質感もほんとに美しいです。

壺や花瓶が多いですが、今回は「瑞獸」「観音聖像」「白磁鳩杖頭」といった形を表現した作品に目が止まりました。なかでも淡い水色がかった白磁の「観音聖像」は着物の流れるような線がまるでせせらぎのようです。艶消しの白い「瑞獸」もかっこよくてフォルムに釘付けになりました。

観音像は戦没者の遺族の方々に波山が贈ったものなのだそうです。一体一体、お祈りをしてから作ったと解説にあり、ひょっとしてこの人の作品のやさしさは、世界に向けて注がれた慈愛なのかもしれないと思いました。

8月まで展示されているので、お近くにお越しの際は、是非ご覧ください。

出光美術館の休憩スペースからは皇居が望めます。