風景の科学展 芸術と科学の融合

風景の科学展 芸術と科学の融合

2019年11月26日 07:00

とても興味深い展覧会に行きました。「風景の科学展 芸術と科学の融合」です。
上田義彦という写真家の撮影した数々の写真とともに、それを一枚一枚科学的に説明したパネルが設置されています。
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例えば入り口の写真は夜の海です。ぼわ〜っと白く浮かんでいるものがあります。私は最初これは闇に浮かぶ波しぶきだと思っていました。でも、どうやら夜光虫のようです。太陽が沈んであたりが暗くなると、海の底の方から水面の養分を摂取するために微生物が上がってきて、その逆に、海底の豊富な養分を取り入れるために水面付近から下がっていく微生物もいるのだそうです。大移動です。
私たちはあるモノを前にして、例えば「りんご」という概念を頭に一度インプットすると、もうそのモノはりんご以外にありえなくなります。りんごから離れられなくなる。そういうことを私たちは日常生活において、いっぱい行っていて、この展覧会では、そのモノ(この展覧会では風景ですが)に関する、数多ある解説のうちの一つの見解を写真作品ととともに展示しています。
このことで私が考えたのは脳のはたらきです。ある事象があって、パターンは「バカにされた/あの人は私のことをバカにした」と他人の言動を概念化します。一度、ある事象をそういう風に捉えると、次に似た事象があった時に「バカにされた」から離れられません。脳が、以前もあった同様のこと=同様の概念と、既存のデータから、捉えています。
私たちはよっぽど意識しない限り、そこから離れることはできない。そういう風に脳ってできているのだと思うんです。気づいたり発見したりした時に脳内がパッ!と明るくなるような(電球が灯るような。笑。)感覚がありますが、あれは、留まり続けていた概念から引き剥がされる時の快感のように思います。ずっと同じ姿勢で凝り固まった体をちょっと動かしてほぐされると軽くなるような。
そこに見えているものは何なのか。その事象は何なのか。既存データを超え、新たな眼差しを持って、自由に捉えること、そうして世界を創出することを楽しみたいと思います。
▼ 魂の学びは普遍的です。普遍の学びは、実践を通して自分自身の学びとすることに、
 その面白さがあります。ぜひ、内なる眼差しを持って、この広い世界を探求していきましょう。
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