美意識を育てたい

美意識を育てたい

2018年08月21日 19:33


今のバレエの先生の前に、別の先生のレッスンを受けていました。その時のことで、ふと思ったことがあります。

前の先生は、長い手足に恵まれた、見栄えのする踊り手として活躍されていたようでした。自身も「天狗だった」とおっしゃっていました。お手本はそれはそれはきれいでした。その先生はレッスン時、体の動きについてだけでなく、心の内面について言及することがありました。「おごるな」とか「ずるいことをしていないか?」とか。生徒の動きのどこにおごりやずるさを感じているのだろう?レッスンと一体何の関係があるんだろう?と不思議に思っていました。

そのことで今思うのは、その先生はもしかすると、センスのある踊り手だったがために、外側がどんなに素晴らしくても内面に歪みがあるとそれが舞台で出てしまう、天狗の鼻が折れる、そういった苦い体験をしたのかもしれない、ということです。そういうところでの内面の大切さを知っているから、あのように注意していたのかも、と思い至りました。

その先生の教えと今の先生の教えとを合わせて思うのは、バレエは持って生まれた手足の長さや骨格、センス等、資質に左右されるのだけれど、そこだけではなく心の純粋さやひたむきな努力、その他諸々の資質が全て関連しているということです。

「お客様に最高に美しいものをお見せします。」なのか、「・・お見せしたい。」なのか、「バレエの美しさをお届けしたい。」なのか、わからないのですが、バレエを踊っている人はひたむきに心の内外の美意識を探求しているように思います。

バレエは私にとっては苦手なことを挑戦する課題であってバレエが大好きでとか、誰かの踊りに憧れて、といったことはありません。しかし、今思うのは、持って生まれた資質でどうにもならないことはあるけれども、積極的にバレエを鑑賞し、美意識を育て、自分自身が美しく動くために必要なことを一つひとつやっていってみたいな、ということです。それは、身体をここまで柔らかくしたい、とか、何をどういう風に動かせるようになりたい、とか、そういうレベルですが、小さな目標があると努力もしやすい気がします。


▼自分と向き合うセッションを行っています。