通勤電車

通勤電車

2024年04月12日 19:01

けっこう混んでいた通勤電車でのこと。

杖をチャカチャカ音を立てて、おじいちゃんが乗ってきました。「だれも譲ってくれない!」という苛立ち満々で。

案の定、だれも譲らない。。。

優先席でスマホに釘付けになっている若い人たち(もしかしたらお病気なのかもしれないがー)を見て、「ああ、この人たち、無視するのか」と私は苦しい気持ちになりました。「あのー、、譲って差し上げませんか?」と一言、言おうかなと思ったのですが、でもまぁ、他人のパイプ(おじいちゃんのパイプ)に入り込むことにもなるかもしれず、ことの成り行きを見守りました。

そのおじいさんは、よろよろしながら(本当にそうなのかはわからない。演技かもしれない)、隣の車両へ移動。危なっかしいのでヒヤヒヤしました。すると、気づいた青年が立ち上がり、席を譲ったようです。「いえいえ」という仕草が見えたので、おじいさんは何度もお礼を言っていたようでした。

そして、次の駅でこんどはおばあさんが乗ってきました!おばあさんは何も言わず、何の物音も立てず、ただ、そこに来ました。

すると、どうでしょう。優先席にすわっていた人はスマホから顔を上げ、立ち上がり、おばあさんの付き添いの方にも席を譲ってあげていました。表情も柔和でした。

「ああ、この人たち、席、譲るんだー」と私は内心、ホッとしました。

この時に、おじいちゃんはおじいちゃんの現実、おばあちゃんはおばあちゃんの現実を作ったのかもしれないな、、、って思ったんです。ひょっとしたらカルマかもしれないし。

たぶんですが、おじいちゃんは「だれも譲ってくれない」という現実を作りました。これまでの体験からそういうパターンを自分で刷り込み、決めつけているのだと思います。

おばあちゃんは何かを決めつけている風ではありませんでした。むしろはじめから「座るもの」と思っていたようなところがありました。

だれもがお互いに暗黙のうちに、体や心から発するエネルギーのようなもので関わり合っていて、ふだんの心のあり方って大事だな〜と思った通勤電車での出来事でした。