ありがとうの電話

 

今日はちょっと不思議で、ちょっとほのぼの、心が暖かくなる出来事がありました。

自分のスマホに知らないナンバーから着信があり、出ずにいたら留守電にメッセージが残っていました。ナンダロ…と聞いてみると、「電話ありがとう。まだ生きてるよー。なんとか。フーフー言ってますが、まだ生きてます。ありがとう。」とちょっと弱々しいけれども明るい声で、おじいさんが言っていました。

どなたかへの折り返しの連絡なのだと思います。「おじいさん、番号まちがってるよー」とかけ直してあげようかな、とも思ったのですが、なんとなく、このメッセージをしっかりと受け止めることにしました。そうすることで本来の相手の方にも伝わりそうな気がして。

このおじいさんが、なんとか生きているときにもらった連絡がうれしくて、そこでもしかしたら、さらに生きる力を得たのかもしれないです。

ありがたい気持ちって、喜びだし、生命力も湧いてきます。その力でお礼が言いたくてかけた電話だったんだろうなーって想像したら、心が暖かくなりました。

谷川俊太郎の詩『朝のリレー』を思い出しました。

* * *

『朝のリレー』

カムチャツカの若者が きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は 朝もやの中でバスを待っている

ニューヨークの少女が ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は 柱頭を染める朝陽にウィンクする

この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている

ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと

そうしていわば交替で地球を守る

眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚まし時計のベルが鳴ってる

それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ