「個」を保つ

「個」を保つ

2021年04月08日 07:30

自分が思う自分、他人が思う自分、はたまた自分が思う他人、、、そういったアイデンティティや評価からいかに自由でいるかということを最近考える中で、とあるお話を見つけたので、以下にご紹介します。彫刻家・掛井五郎さんの『銀座そして私の思い』というエッセーからの抜粋です。(銀座百点3月号 No.796より)
・・・・本来芸術家は、国家、宗教、民族という枠組みから自立していないといけない。
つまり「個人」として表現していないといけない。
ピカソだって「スペイン人」の芸術家というわけではないんだ。
国家とか民族からもっと自由になって表現しなければ現代作家とはいえない。
芸術家は有名になってはいけない。
勲章も、もらってはいけない。
でもお金は必要。それは次の作品を創るため。
無名で勲章を貰わずに、制作を続けるのは大変なんです。
だから、パトロンが作家を助けることは重要です。
最後に私の芸術家人生を支えてくれた妻、掛井芙美に感謝したいと思います・・・・
日本人であることからも自立する「個」。有名になったり勲章をもらったりすると、そこに「箔」がついてしまい、一個人+アルファになってしまう。いかに純粋に「個」を保つか。
自分が思う自分、他人が思う自分。自他の無意識な言動が生むアイデンティティをいかに自分に着せないか。まずは自分が他人の言動をそこまで深く受け止めないことから。自分が思う自分にならなくていい。他人が思う自分に自分を充てていかなくていい。そうせずとも「私」はやっていかれる。