小倉遊亀展
先日、平塚市美術館「小倉遊亀展」に行ってきました。
小倉遊亀の作品は、かなり前に、一度、デパートでやっていた展覧会以来、こんなにたくさん揃っているのを見ました。ふだんは滋賀県の近代美術館に数多く収蔵されているそうなので、東京近郊で見られるのは貴重な機会かもしれません。
「石ころも人も花も、同じように仏である」という境地にいらした方らしく、時折、絵の横に付いている画家のことばに魅かれて、ふだん図録は買わないのですが、その言葉と絵をゆっくりと何度も味わいたくて、手に入れました。
私は彼女の作品の、まるでミストをまとうような、しっとりと心に染み込んでいくような感じが好きです。静けさも。あとフジタの時もそうでしたが、微細。とても細やかです。
そして、展示全体を見て思ったのが、平穏無事で、"つまらない" 日常を題材にしていることでした。日常の幸せ。何でもないことの尊さ。それら一つひとつにきっと仏を見ていたのだと思います。
わたしには、自分のことを「つまらない人間だ」と思い嫌うパターンがいるので、「つまらないとは?」と考えたときの、その良い面を垣間みる機会にもなりました。
▼自分と向き合うセッションを行っています。