感覚の記憶

感覚の記憶

2021年10月12日 08:45

子供の頃、母親からあんなふうに言われたくなかったというパターンは、傷ついた気持ちや悔しさや、悲しさなどを感じていました。それで、そのパターンと向き合っているなかで、面白いことに気づきました。
今日、他人が自分の思い通りでないときに自分のパターンが抱く感覚というのが、そのまま、当時母親へ抱いたものであるということです。もっと正確に言い表そうとすればそれは “癇癪を起こすか起こさないかの瀬戸際” のような感じで、まったく同じ感情を今、思い通りでない相手に抱いていて、今と当時とが感覚的にピタリと重なるのです。
それはつまり「自分の思い通りにしたい」というパターンなのですけれども、なんだか、そのパターンが始まったきっかけのような出来事で抱いた感情が、今でも同じというところが私には発見でした。
自分の思い通りにならないという体験は、子供の頃に満たされなかった時の感覚を、いま、そのまま再現しているのです。一瞬で幼少期の体験とつながる。
私たちは、無意識のうちに人間関係の中に理想の母親を求めますが、それはたぶんこの感覚の記憶が癒されていないからです。ずっとひきずっているんです。「自分の思い通りにしたい」というパターンから枝葉のように分かれている様々なパターンをケアしてきているので、今はだいぶ解消されていますが、私はずっと優しい「おかあさん」を求め続けていました。
だから、私はいま、母親からあんなふうに言われたくなかったというパターンをケアしていますが、これが癒やされてくると、他人が自分の思い通りでないときに湧き上がる感情や感覚も変わってくるように思います。