動物たちを飼ったら、人間のいろんな面が見えてきた。
この間、近所の神社の神主さんとちょっと立ち話をしてたら、神主さんが、「僕、心に刺さってることがあるんです・・・」と話し始めました。内容は、今、飼っているユキちゃん(やぎ)とモモタロウ(うま)を取り巻く人間たちのことでした。
ユキちゃんには子どもたちが、怖がりながらも、どんぐりをあげたりしてるんですが、そんな子たちを前に、「ど〜だっ!!」とスーパーから拾ってきたキャベツをぶちまけていくおじさんがいるのだそうです。「おれの餌の方がすごい」っていうワケです。「マジですか?!」とドン引きした私。ユキちゃんが食べきれない量を置いていくのだそうで、「片付けるの誰だと思ってんだ。しかも子ども相手に大人気ない。」と神主さんは頭にきているようでした。
そして、モモタロウ(うま)のほうは「エサをあげないでください」と看板を出していて、食べ物には気をつけているとのこと。モモタロウの体調管理の面で、勝手に餌をやられると困るのだそうです。そんなある時、神主さんが餌をあげようとしていた中年夫婦に「エサをあげないでくださいね」と伝えたところ、初めて来ただの、知らなかっただのと、言い訳をして、謝らなかったことがあったのだそうです。
でも、夫婦が背負っているリュックにはたくさんの餌が入っている様子で、どうしてそういう嘘をつくのか。その場が過ぎればいいみたいなずるいやり口で。どういう生き方をしているんだ、と憤慨されてました。悲しかったんだと思います。
「こっちが袴でも着てたら、態度が違ったのかもしれないけど、こんな汚い格好(着古したTシャツと本当に汚いズボンに長靴。完全に動物対応!笑。)をした人間が言ってるから、ああなっちゃうのかもしれないけど、もう、まったくどうしようもない人たちでした」と。
そしておっしゃったんです、「動物たちを飼ったら、人間のいろんな面が見えてきた」。餌をやりたい、動物を可愛がりたい、その気持ちはわかる。子どもたちが怖がりながらどんぐりをあげる程度なら問題はないけれど、大人たちによる、純粋さを超えた、餌やりはグッとがまんしてほしい。それが神主さんの本音のようでした。
結局のところ、そういう大人たちは、ふだん見向きもされない自分にけなげに反応してくれる動物たちに癒しを感じ、それを利用して自分のパターンを満たそうとしてるわけで、動物にとって食べ物は、あればあるだけ食べてしまうだろうから、そこはもう、人間が気をつける以外にはないですよね。
とりあえず、今後、餌をやろうとしている人を見かけたら、「かわいいですよね〜、餌あげたくなりますよね〜、でも、体調悪くなっちゃうから餌はダメなんだそうですよ。」と伝えようと思います。
「おれの餌の方がすごい」というおじさんを見かけたら、何て言おうかな? このあいだユキちゃんが「大人気ない」って言ってましたよ?って、謎の人物を演じようかな(ガハハ。笑)