高島野十郎展では、2000年に見つかった「ノート」が展示してありました。
・海の辺は立つも座るも波ゆるる 我が身の程の思ひ知られつ
・武士は食はねど高楊枝 乞食 精神文化の極致
・芸術は “深さ” とか “強さ” とかを取るべきではない。「諦」である。
・花一つを、砂一粒を人間と同物に見る事。神と見る事
・人間は何時の時代にも、何時の日にも同じ事をやって居る。寸分違いはせぬ。凡ての事について。
などのことばがノートに書かれていて、何か哲学を持っていた方だったんだなーと、何か感じるものがあってそれを心の中にとっておいています。

それで、このほかにも知り合いの方への手紙が展示してあって、そこでこの作家の非凡さを感じました。あることへの徹底ぶりがすごかったんです。そこまで書くか?というような。
何の徹底ぶりかというと、人から物を受け取らない姿勢です。
以下、意訳になりますが「・・・たとえ送ってこられても、自分はそれをどこかへ追いやるか、焼くかするから、送ってこないで欲しい。いつか送ってきたあれも無用だった。女性は特にいろいろ送ってくるけれども自分は受け取らないようにしている。」「先日はある人が上野でやっている展覧会をすすめてきた。展覧会には何も得るものがないし、行くのであれば自分で行くから、そういうおすすめも要らない。」
そういったことが手紙に書かれていて、とにかく徹底的なお断りで、ここまでまっすぐにそれを書けるってすごいとちょっと圧倒されました。
かと言って、たぶんですが別に人が嫌いなわけではなくて、「こんなに不便なところだけど、ついでがあったらぜひお立ち寄りください」という手紙も直筆の案内図を添えて出してもいます。
何だろーこの人。面白い。味わい深い展覧会でした。
