初笑い
年が明けて早々、思い立って国立博物館に行きました。お目当ては長谷川等伯の松林図。2週間だけ展示される国宝です。お正月の名物ということは以前から聞いていたのですが、なかなか行けなくて今回になりました。
墨の濃淡だけで描かれた松林は静かで力強いです。色即是空、空即是色。有と無が共存しています。松林の中へ、奥のほうの山へと誘われるようでずーーーっと見ていられます。見る瞑想ですね。
見物に訪れている人はけっこういて、半分くらいは外国からの方でした。絵の前のソファに腰掛けてみると、その前には人だかりができていて絵全体を眺めるのはちょっと難しい状況でした。私は絵の全体を眺めることはあきらめて、ただ、見えているものを見ようとそこに座っていました。
そんななか、すぐ横に一人の男性がドカッと座りました。そして「松林ってこれじゃあ、人が松林だな」とつぶやいて立ち去りました。確かに松林と絵を見る人はなんとなく似ていて「あははっ、上手い!」と心の中で笑いました。
▼自分と向き合うセッションを行っています。