やわらかい風
この間、ビルの屋上でお昼を食べていたら、トンビに一口分のサンドイッチを持って行かれました。
ずーっと上を旋回していたので、ほしいんだろうな〜と思っていました。途中、ちぎって投げてあげようかな、とも思ったのですが、散らかっても嫌だな〜と思いやめました。
最後の一口を手にしていて、ふとしたときに、トンビはやってきて、サッと取って行きました。一瞬の出来事でした。私はトンビのほうを向いていなかったので、ちょうど狙い目だったのでしょう。
左手の中指にチクッと感じましたが、ものすごい傷ができるとかはなく、とても小さな赤い点が残りました。たぶんトンビの爪痕です。
私は驚きましたが不快ではなかったです。むしろ分けられてよかったと思いました。トンビのスマートで鮮やかなやり方で、分けたかったサンドイッチを持っていってもらえたことが私は嬉しかったのでした。フワッという羽の音とやわらかい風が印象に残っています。