土曜日の昼下がり
初めて国立近代美術館工芸館へ。写真では度々見かけていましたが、建物が素敵。
従来は閉められているであろうカーテンが取り外され、作品は陳列ケースに収めてしまわず、まるでディナーテーブルに並べられているようです。インゲヤード・ローマン展。
非常にシンプルな作品で、それは、様々な人がすでに使っている様々な食器とすんなり混ざり込むことを考えているのだそうです。作家なのだけれども、"匿名性" を信条としていて、バーテンダーをしているお孫さんが、自分の作品と知らずにグラスを選んだというエピソードが印象的です。本人はニンマリだったことでしょう。
私は彼女の作品にユーモアを感じます。カラフの蓋とコップの兼用、お皿とスープボウルの蓋との兼用、華やかな絵付けで知られる有田焼とのコラボでの黒や白一色といったシンプルな色使い、あまのじゃくで面白いです。
長くやっているうちに、自分のスタイルを確立したり、名を残したりしたくなりそうなものですが。それはまるで自分自身から常に自由になっているようでもあります。透明なグラスのように、この人自身も空気に、人々の日常の生活に、溶け込んでいるかのようです。大勢の中に "埋もれる" ことに恐怖を感じる私のパターンにとっては、考えられないこと、、、であります。
▼自分と向き合うセッションを行っています。