心に染み入る景色

心に染み入る景色

2021年11月14日 10:13

先日、SOMPO美術館で開催されている『川瀬巴水展』に行ってきました。
https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2020/kawasehasui/
東京・新宿の高層ビル群の一角にある美術館です。人混みが苦手な私。新宿はとても不慣れ。自宅近くからバスで新宿西口へ向かい、降りた先で案の定「???」となり、キョロキョロしながら無事に到着〜
展覧会では海や空の染み入るようなグラデーションや、あたたかい感じのする雪景色など、たくさんの作品を堪能。日本橋や皇居周辺の景色、実家の辺りなども描かれていて、当時(1920〜1940年代)の日本の雰囲気を楽しみました。心が落ち着きます。
自分の作品を売り込むべく努力をする作家の様子が、手紙などからも読み取れて、これは彼の「仕事」だったんだと認識を新たにしました。
展示を見終わり、美術館を出てから、地面から空へスーッと伸びている、一階、一階が上の方まで積み上がっている、高いビルの一棟、一棟をしばらく眺めていました。
見れば、無機質と決めつけていた高層ビルは、意外に美しく、その姿もまた心に染み入ってきました。
今、この景色を川瀬巴水が見ていたら、きっと変わらぬタッチで版画にするだろうなぁ、ビルの谷間を行き交う人々や、信号に立ち止まる家族連れなどを描くだろうなぁ、と思うのでした。
そうして私は人混みの中を縫うように、帰途についたのでした(笑)