團菊祭五月大歌舞伎〜勧進帳

團菊祭五月大歌舞伎〜勧進帳

2025年05月05日 20:36

今日は、歌舞伎座で、團菊祭五月大歌舞伎<昼の部>を堪能しました。

尾上菊之助改め 八代目 尾上菊五郎襲名披露
尾上丑之助改め 六代目 尾上菊之助襲名披露

たいへんおめでたい公演でもあり、舞台も劇場も華やかで満足でした。
團菊祭って、團十郎と菊五郎の「團」と「菊」なので、團十郎(前の海老蔵)もがんばってました!「勧進帳」の弁慶役です。源義経が途中、つかまってしまわないように画策するストーリーで、義経の家来であった弁慶が、ありもしない「勧進帳」を読み上げる場面が有名です。

そうやってあの手この手でなんとか義経たちは関所を通り抜けるのですが、最後、幕が閉まった後、弁慶が、義経たちを追いかけるところで「飛び六方」(大きなスキップのような歩き方)が花道で披露されます。

ここが、私の好きな場面で、弁慶が関所に向かって静かに一礼するのです。もしかしたら、彼らが義経の一行であると察していたかもしれない、それでも通してくれた(弁慶の嘘にだまされてくれた)ことへのお礼です。それから、お〜い!とばかりに、義経たちのほうへ喜び勇んで合流する。

ご主人を助けるための嘘。一礼もお詫びのきもちだったかもしれません。ご主人を助けられた喜びも安堵もあることでしょう。

コミカルであり、ハラハラもして、義経に対する弁慶の忠義が際立つヒューマンドラマでもある演目が、「勧進帳」です。歌舞伎って何を観たらいいの?という方にはオススメかと思います。

幼馴染であり、同志でもある、十三代目團十郎と八代目菊五郎による熱演もとてもよいです。今後も楽しみなふたり。