未来のエトワール
『くるみ割り人形』の客席は子供たちが多かったのが印象的でした。舞台に子役たちも登場するし、馴染み深いのでしょうか。私の前に座っていた方々は出演者のご家族だったようで、「ああ、そういうこともあるか、、」と、ここにいる誰もが誰かの子供で誰かの大切な家族、ということを思い出し、何だか誇らしく、暖かな気持ちが湧いてきました。
バレエ観賞の帰り道のことです。駅のホームで4?5歳の女の子が「トンデュ、、、アラベスク」というバレエのフォームを繰り返してました。
それが、、、幼い子にありがちな「私のことを、見て、見て!」という感じが皆無で、自分の動作を一つひとつ確認するように、今、目の前で見た踊りを自分は再現できているのだろうかと(たぶん)考えながら、黙々とやっていました。私はそこに、自分自身に満足することなく常に探求し続けるバレエダンサーの姿を見ました(笑)。
その間、お母さんはスマホにくぎづけでしたが、もしかしたら次に見にいくバレエ公演を探していたのかもしれません。というのも、電車の中で「DVDは買わない。生で見たほうがいいから。」と女の子に言っていたのです。
DVD購入を却下された未来のエトワールは、じっと座っていることができず、手すりに腕や体を巻きつけてグデグデ?になってましたが(笑)、この子は将来どのようなバレリーナになるのか、とっても微笑ましい光景でした。