ミュシャ展

ミュシャ展

2017年04月01日 16:58


エレガントなデザインで有名なミュシャですが、今回の展示では、スラブ叙事詩という大作(サイズが大きい!!テーマも大きいですが)を見る事ができます。


それらの大作を前に、何が見えるか?ミュシャは何を見ていたのか?ミュシャは何を感じていたのか?と心の中で思いを巡らせました。繰り返し浮かんだことばは「民」(たみ)でした。それから「望み」「祈り」「癒し」。


ミュシャの生涯を説明する映像によれば、自分が華やかな優美な世界を生きていた頃、自国の人々が大変な苦労をしていた事を知って、その後の自分のすべてを捧げて、このスラブ叙事詩に取りかかることにしたそうです。それを「愛国主義だ」としてゲシュタポにとらわれ、解放されましたが体調を崩し、亡くなっています。仕上げた大作も時代に合わず、当時、古臭く見なされたといいます。

しかし、こうして今、その作品を見れば、とても普遍的なテーマが感じられ、巨大な作品にもかかわらず「圧」がありません。ミュシャが伝えたかった事が、これらの作品を通して、時空を超えて世界中に届けられているのでしょう。とても見応えのある展覧会です。