ゆったりとした休日
昨日は文化の日。ゆったりとした休日でした。
図書館で借りた山之口貘さんの詩集『桃の花が咲いていた』を読んだりしました。
これは詩なのかどうか、「自己紹介」という作品があります。
自己紹介
ここに寄り集つた諸氏よ
先ほどから諸氏の位置に就て考へてゐるうちに
考へてゐる僕の姿に僕は気がついたのであります
僕ですか?
これはまことに自惚れるやうですが
びんぼうなのであります。
貘さんの視点と特有のユーモアが感じられます。「僕ですか?びんぼうなのであります。」という自己紹介。うぬぼれるとありますが、自分が好きとも、あらがうことなく自分を受け入れているともとれる。あっけらかんとした人柄を想像します。自分に対する素直さ、軽やかさも感じます。
自分にこの「自己紹介」を置き換えた時、どうだろうか。そこに集まった「諸氏」からどんな顔をされるのか、どう思われるのかを考えてしまうと思う。そのことに気付いたとして、そこで自分はどのように自己紹介をするだろうか。
ちょっと用事ができたので、本を置いて外へ出たら、思った以上に風が強く、寒くて驚きました。ちょっと薄着で来ちゃったかなとも思いましたが、歩いているうちにちょうどよくなるだろう、とそのままでかけました。
強烈な風に、これは「木枯1号」なんじゃないか?と思ったらやはりそうでした!

強風の中でしたが銀木犀がしっかりと香っていました。体の中にこの大好きな香りを取り込みました。
ゆったりとしたひととき、山之口貘さんの詩、銀木犀の香りなど、自分にとって程よいものを取り入れて過ごせた休日でした。
今朝の東京も寒いです。休み明け、すがすがしくいきたいと思います。

