金曜日の砂糖ちゃん
さて、今週も金曜日を迎えました。それで、『金曜日の砂糖ちゃん』という本が新聞のかたすみに一部、引用されていて気になったので図書館で借りました。
私が新聞で読んだのはこのような文章です。
今日 ぼくは さみしいことが あったから
つまらないことが あったから
知らない道を とおって 帰る
私のこころのひだにある寂しさとピタッと合います。。。
これは『金曜日の砂糖ちゃん』のなかの、『草のオルガン』というお話です。
当初、外国の作品かと思った絵本で、文字だけでは伝わらないので機会があれば実物をご覧になっていただければと思います。絵もとても素敵なんです。
*
今日 ぼくは さみしいことが あったから
つまらないことが あったから
知らない道を とおって 帰る
知らない道を とおって いくと
おやおや こんなところが あったとは
こんなところが あったとは
草のなかの オルガンは 音が いっこも でなかったけど
ひいていたら バッタが きました
チョウチョウも とんできました
カラスも きて カラスは タンポポの花を くわえてた
「ドレミッミッ ソラソッソッ ミレ ドーレーミー」
そしたら 黄色いヘルメットの おじさんも きて
「コラッ ここに入っちゃいかん! ヘビが でるぞ」
ぼくは ヘビにも あいたかったと おもいました。
(『草のオルガン』より)
*
あぁ、この作品で、インナーチャイルドに呼ばれたなーーと思いました。
あの頃のさみしかった自分。「未知の世界」への不安や緊張感で寂しさを上塗りしたい気持ち。原っぱにあるオルガンは音が出ないけど、それでも鍵盤を押し続けて、壊れている者同士、一体になっていたい気持ち。そこにバッタやチョウ、カラスが集まり、せっかくあたたかな気持ちになっているのに、邪魔が入って。危ないとされる「ヘビ」にさえ、会いたかったと思うほどの、ひとりぼっち。
幼かった頃、こういう時がありました。おともだちと遊んでいる時もありましたが、一人で遊んでいることも多かったです。
緊張感とか不安感とか、反抗心(大人からはやってはいけないと言われていることをやる、というような)でさみしさを打ち消そうとしていたなーーーと思い出します。