老いるということは

老いるということは

2024年12月18日 20:40

『人はどう老いるのか』(久坂部 羊・著)を読んでいて、「老いるということは、失うことだとも言われます。」「若いときから優秀だった人は、人生で得たものが多い分、失うつらさにも耐えなければなりません。」といった文章があり、自分と向き合っていなくても、人にはそういう時期がきて、自分と向き合わざるをえなくなり、手放さざるをえなくなり、今の自分を受け入れざるをえなくなるんだな・・・と思いました。

それと同時に、今、自分が取り組んでいることは、その部分に気づき、意識的に手放していくことなんだな、と考えました。

それでね、そういうふうに「自然にそうなる」(自然に手放す、自然に受け入れる)ということはないだろうな、とも思ったんです。つまり、意識していないと、失うことに苦しみ、翻弄されるだろう、と。(別にそれでもいいんだけど。)

どこから意志が発動するのだろう?と考えると、やっぱり、苦しみだろう、と思うわけです。

「老いるということは、失うことだとも言われます。体力を失い、能力を失い、美貌を失い、余裕を失い、仕事を失い、出番を失い、地位と役割を失い、居場所を失い、楽しみを失い、生きている意味を失う。」(P.196)

「若い時から優秀だった人は、人生で得たものが多い分、失うつらさにも耐えなければなりません。仕事で高い地位についていた人は、リタイアしてふつうの人になることに抵抗があるでしょうし、頭がいいと言われていた人は、記憶力や計算力が衰え、言いまちがい、勘ちがいなどを指摘されると腹が立ち、逆にショックを受けたり、落ち込んだりします。」(P.197)

これまで向き合ってきた部分、ど真ん中です。

われわれはそことすでに向き合っていて、具体的にどうするのかも知っていて、実践もしています。

握りしめてきた価値を手放し、今の自分を受け入れ、愛することをやってきています。

なので、この調子で和やかに老いていきたいと思います。