感情を感じる

感情を感じる

2025年01月06日 07:53

今回のお正月は、ありがたいことにお休みが長かったですね。何冊かの本を読む時間に当てられて良かったです。

そのうちの一冊は『流星ワゴン』(重松 清・著)です。

父と息子、夫と妻の関係にまつわる小説で、テーマは「やり直し」です。

この小説でも、相手がどう考えているのか、きっとこう考えているのだろう、、、と相手の思いや考えを推察する場面が頻出していて、他人に関してあれやこれやと考えて思い悩むということを繰り返し行なっているんだな、とあらためて思いました。

これはまったくの他人と自分との間でも行なっているし、家族とも行なっています。それだけに止まらず、自分がどうすべきか、自分自身についてもあれこれ思考している気がします。

子供の時、父親が言うことややること(ディテールは省きます)が本当に嫌だったんだ・・・

という場面が出てきます。

また、妻が夫に対して、あなたのやること(ここもディテールは省きます)が本当に嫌・・・・

という場面も出てきます。

そのような心が折れてしまいそうになる状況でも逃げずに、無関心を装わず、関わることを諦めずに生きるかを問われているストーリーだと思いました。

大事な場面で主人公は「勇気」を発揮します。

話が進むにつれて、以前は気がつかなかったちょっとした部分を感じるようになるなど、凹んだ心を取り戻しつつあるような希望の光が差し込んできます。

パターンとの向き合い方にあえて紐づけて書くならば、パターンが生み出すどのような感情もしっかりと感じる大切さを思いました。自分の中の感情をしっかり感じるから、相手のそれも感じるのだとこの小説を通して学びました。