余白を描く

余白を描く

2023年02月21日 08:02

『だれでもデザイン(未来をつくる教室)』(山中俊治著)を手に取りました。

山中先生が高校生を対象に行った <デザインの根幹を学んでもらう体験型の授業> を書籍化したものです。

そこに紹介されていたスケッチの授業を自分でもやってみました。そこには、物事をぼーっと見る際の、大きなヒントがありました。

それは、「余白を描く」というもの。

山中先生曰く、「理解が形を見ることを妨げている」。手ってこういうもんだなと思っちゃうと、その典型的な手に近いものを描いてしまう。形の理解がものの形を見ることを妨げている。それらを一回フラットに、リセットする必要がある・・・

正確に描くことをしばしば邪魔している、われわれの認識を一旦消すようにリセットすることが、絵を描くコツの基本・・・

このことはまるで、パターンや思考・過去の経験などによる「決めつけ」から離れ、そこに囚われないことを示唆しているようです。

これは自分で描いてみた「左手」です。時間はそれぞれ10分以内。

AとBで何が違うのか。Aは「左手を見て」書きました。

Bは手以外の部分、「余白を描くこと」を意識しました。ちなみに、この時、爪は爪以外の部分を見て描きます。(対象を描きたい時には対象ではない部分を描く。)

こうして見ると、やっぱりAとBでは何かが違います。私はBのほうに、より「指っぽさ」があるように思います。また、わかりやすいところでは、Aには「親指は太い」という固定概念が表れていて、でも、実はそれほど太くなかった親指に気付かされるのが、B。

それにしても、スケッチっていいかも。新たな趣味だわ。