透明なチューブですよ

透明なチューブですよ

2024年07月19日 21:01

「一人一人がそもそも違う世界に隔離されていて、別のものを見てるんじゃないかって思うんだ。たとえば、ぼくの夢に蓮ちゃんが出てきても、蓮ちゃんが同じ夢を見ているわけじゃない。現実も人の数だけあって交わらないんじゃないかな」

・・・神は問うた。「じゃあ、人間ってどういうものだと思う?」

「人間は透明なチューブですよ」ひつじくんは、サンドイッチの中身はハムとレタスですと言うくらい明快に答えた。

(『神と黒蟹県』より一部抜粋)

 

パターンが無意識のうちに抱く興味関心が情報をあつめ、行動し、ますますパターンを屈強にし、そのフィルターを通して世界を見て、またさらに、そこでの行動を推し進める。これが人の数だけ、起きています。

こういう点において自分と他人とでは住む世界が異なります。つくり出している世界が違うんだと思います。

自他の関係性というところで、自分のことを他人がどう思っているのか、他人は自分をどう見ているのか、いつも気にしていたことを思い出しました。

自信がなく、不安で、いつも自分のことを他人からの評価・承認を通してしか成り立たせることができなかったかつての自分。「自分はこんなにやっているのに!」と自分だけがなにもかもやっていると思っていた、自分は有能で他人は無能だと思っていた、かつての自分。

そのあたりがいつの間にか削がれ、今では他人からどう思われようと意に介さなくなっていますが、それでは他人に無関心なのかというとそうではなく、他人との関係性(自他のつながり)はより深くなっています。